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長崎編 哀愁のロシア料理「HARBIN」

久しぶりの九州となった今回、一行が向かったのは長崎。長崎空港から車で45分ほど、商店街の中ほどに位置する庶民的なお店ながら、創業が1959年だというから、全国的にもかなり古参の部類に入るロシア料理の名店です。

はじめに出されたパンからして普通じゃない。パン種をじっくり寝かしたという黒パンは、乳酸の風味が効いた「本物」の味わい。ひき肉の旨味と春雨の食感の相性がいい「ピロシキ」、ビーツの鮮やかな赤と東欧原産のサワークリーム、スメタナの白のコントラストが食欲をそそる「ボルシチ」と、誰もが知るスタンダードなロシア料理を手始めに食べさせてくれる構成はさすが人気店といったところ。もちろん、どちらも丁寧に作られていて好感が持てます。

一ヶ月熟成し、暖炉でゆるゆると火を入れて低温調理したという「仔羊のグルジア風チャホビリ」は、羊ならではの香りが楽しい逸品。続くスペシャリテ、長崎で一頭しか飼育されないという「花房和牛」のローストも、通常の5倍の年月をかけて育てたというだけあって、香り・旨味いずれも赤みとしては群を抜く完成度の高さです。

▼基本情報▼
店名:HARBIN
住所:長崎県長崎市万屋町4-13 2F
電話番号:095-824-6650
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:00) 17:30~22:00(L.O.21:00)
定休日:水曜日(月1)

1er cru(フレンチ)

次に向かったのは長崎駅から車で10分、ジャンルを問わず、長崎の美味しい店といえば真っ先に名前があがるというフレンチの名店「1er cru」。客席数12と決して狭いお店でないにもかかわらず、調理からサーブまで、ご主人が一人で切り盛りするというユニークなお店です。

北海道産のホタテの貝柱と白身魚のムースを「卵焼き」として仕上げたアミューズからスタート。刺身とエビクリームコロッケでいただく前菜の「五島産のうちわ海老」は、付け合わせとの絶妙なバランスを考慮したフレンチならではの繊細な味わいです。肝のソースと羅臼昆布で味わう「五島産 天然鮑」は、ほんの短時間蒸すことで、柔らかさと磯の香りが楽しめる最高の瞬間を捉えているのだとか。

5年熟成したイベリコ豚とのユニークなマリアージュが心地い「北海道産の真鱈の白子」、時間をかけて火入れし、グリーンピースのソースと五島産ウニを合わせた「8日目 天然ひらめ」と、純度の高い仕事ぶりは新興の名店ならでは。メインは、「渡邊牛 内モモ」のステーキ。最も甘みがある部位をやはり低温で焼き上げ、歯切れよく仕上げた逸品です。

▼基本情報▼
店名:1er cru
住所:長崎県長崎市鍛冶屋町6-28 1F
電話番号:095-829-1061
営業時間(入店):12:00~12:30 18:00~20:00(完全予約制)
定休日:日曜日

長崎穴場編:朱欒(小料理)

穴場編として一行が訪れたのは、長崎空港から車で約45分のところにある「朱欒」です。趣味のいい骨董や調度品が整然と並べられ、細部まできちんと手入れが行き届いた店内は、まさに穴場と呼ぶにふさわしい佇まい。『美味しんぼ』でも取り上げられた地元で人気の小料理です。

イワシの味噌なますや、ふきのような山菜「つわ」とかまぼこの炊き合わせ、食パンにエビをはさんで、油で揚げた「ハトシ」など、地方ならではの小鉢がうれしい。フカ・ガンバ(とらふぐ)・マテガイの「湯引き」、鯵・シメ鯖・ヒラマサの「刺身の盛り合わせ」と、地元で揚がった海の幸をシンプルでいただく素朴なスタイルも、この店には似つかわしく感じます。

すり身を揚げた「ざぼん揚」「大根の味噌漬け」「菜の花とタケノコの炊き合わせ」「大根の煮物」など、奇をてらわず、ゲストを身構えさせない料理の数々はどこまでも心地よく、酔客を際限なく酒に誘います。

▼基本情報▼
店名:朱欒
住所:長崎県長崎市下西山町1-7
電話番号:095-822-3574
営業時間:17:30~22:00
定休日:土日祝

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